人が同調する理由
なぜ同調してしまうのか
同調に関する記事を集めました
少数者になることへの不安・集団思考
行動心理学『職場のサギ師をギャフンと言わせる方法*1』より
なぜ同調するのか
人間は社会的動物だ。集団で孤立したり、仲間はずれにされることは恐怖である。人が同調しようとする根底には「少数者になることへの不安」がある。
同調することの弊害
多数が集まっている集団が、必ずしも個人のみの判断より合理的で正しい決定を下すわけではない。意見の一致を強く求めるあまり、多数決で物事を決定するため、失敗しなければいいといった「現状維持」的な考えにもなりがちだ。
アメリカの実験心理学者ジャニスは、こうした傾向を「集団思考(group think)」と呼んでいる。そして、集団がこのような思考に走ってしまうと、しばしばその決定は望ましくない結果をもたらすこともあると警告している。
とくに、強固な方針を持つリーダーや、ワンマン的な指導者がいる場合、集団の結束を固めるため、同調への圧力をかけ、冷静な判断をせず決定をくだすことがある。独裁者といわれたヒットラーがその一例だろう。
戦争、災害などの緊急事態では同調圧力がかかりやすくなる
緊急事態に陥ると、客観的な正しい状況判断や意思決定が困難になる。
リーダーの意見や集団内の多数意見に「同調せよ」という圧力がかかりやすくなり、ふだん以上に意見の一致や集団の結束力に重点が置かれる。
対策
ジャニスがあげた七つ「集団思考の典型的症状」
ジャニスは、こうした集団思考の病状を防ぐための対策として、他者の意見に同意しない人たちを阻害しないことが大切であると述べている
同じ様な人間が集まった組織では不正や忖度が通りやすい
女性差別は「必要悪」なのか? 村木厚子さんが語る、日本型組織の病 | ハフポスト
検察や官公庁など権威のある組織というのは、自分たちは完璧であるという「建前」をすごく大事にせざるをえない。「失敗しました」「間違えました」とは言えないんです。
もしも間違いがあった場合、組織全体が隠ぺいする方向に行ってしまう。
その背景には、同じような人間ばかりが集まった「同質性」の高さ
(中略)
「同質性」というのは、公務員試験を受けて同じように昇進していく、似たような属性の人ばかりが集まった組織ということです。
そうした「同質性」の高い組織の中では、お互いに「このぐらい、いいよな」と目配せするだけで、不正がなかったことにできたり、忖度しあったりすることができますよね。
そこで、社会の常識との乖離が生まれやすいんです。
対策
同じような不祥事が相次ぐ日本型組織は、多様な価値観や視点が混ざりあうことによって、その「同質性」を打破し、本音と建前の乖離も解消していける。
真実ではないとわかっていても周囲の行動に従ってしまう理由
『真実ではないとわかっていても、本心を隠して周囲の行動に従ってしまう脳の仕組みとは』ナショナルジオグラフィックより
<実験>
被験者には見本を見せて、同じだと思う物をABCの中から選んでもらいます(正解はC)
自分以外の全員がAと答えたら被験者はどうするでしょうか?という実験
(※ただし被験者は一番最後に答えます)
↓
結果は…Aと答える人が多かった
MC「あなたは本当はCだと思ったのでは?」
女性「はい。でもみんなAだから私も同じにしなきゃって」
男性「白状すると最初はCだと」
MC「自分の判断に疑問を感じたんだね?」
男性「馬鹿だって思われたくないし、目立ちたくないからAと」
「自分だけ他の人々と違う意見を持つと、前帯状皮質と呼ばれる領域でエラー信号が発生します。そこで周りに合わせ自分の意見を変えます。真実ではないと分かっていてもです。周囲の行動に従うほうが生き残る確率はあがります。群れでいればより安全だという訳です。」
・・・
「赤信号皆で渡れば怖くない」に似ていますね。この実験はアメリカで行なわれました。周りに流されず自分の意見をはっきり言う人もいました
感想
人が同調するのは性格とは別の本能的なものみたいです
ジャニスの「集団思考の典型的症状」は誰でも経験がありそうだと思いました
そういった人間の癖を知っていれば、何かあった時に冷静に対処できるかも?
自分の意見を持つこと、同調圧力が掛かりにくい環境作りが必要なんだなと思いました
*1:樺旦純著