出雲の蒼い風 吉村達也さん
2008年に行われた倉敷藤花戦のドキュメント*1「出雲の蒼い風、分水嶺を越える」。
取材・文は作家の吉村達也さん
里見香奈さんが高校生で初タイトルを獲得しニュースになりましたが、その裏側が臨場感たっぷりに書かれています
「心に少年が住んでいる香奈は風とたわむれるのが好きだった」
すごいキャプションですけど…笑
子供時代の香奈さんはアスレチックコーナーや公園で活発に遊ぶ子で、その時の服装はまさに男の子⚽
ズボンが大好きで女の子らしい服装は苦手だったそう
前夜祭のドレスはお母さんと店員さんが選んだもの
(倉敷藤花戦の)東京での前夜祭が終わると、香奈はきっぱりと宣言した。
「もうこのドレスは封印する!」
…笑😁
タイトル奪取の翌日、里見香奈は感激の余韻に浸るまもなく、倉敷から岡山に移動して、地元の強豪と将棋を指していた。せっかくのチャンスを無駄にしたくない、という思いからだった。
どちらが本当の姿なのか
記者会見では消え入るようにかぼそい声。村田女流が行った電話インタビューではのびのびとした受け答え。。どちらが本当の里見の姿なのか?と著者は思ったとの事
両親に、記者会見で『借りてきたネコ』状態だった香奈の姿を伝えると、父は即座に言った。
「あれはニセモノと思ってください。あれは外向きの顔で、本人はものすごくひょうきんな子です」
…笑
しかし香奈はひょうきんだが、決して今回の結果に浮かれてはしゃぎ回る子ではないという。
第一局に勝利した後お母さんに舞い上がらないように言ったそうです
・・・
やはり記者会見の場で見せた、静かな闘志を秘めた姿のほうが本質か、と思ったとき、父の携帯電話が鳴った。まだ岡山にいる香奈からだった。
「いまどこにおる」と問いかける父に、香奈は、頼んでおいた倉敷のおみやげは買っておいてくれたかとたずねてきた。その声は、部屋中に聞こえるほど大きなものだった。
「いやあ、バレてしまいましたなあ」
電話を切ってから、父と母は大笑いした。
・・・
香奈さんもご家族も率直で面白かったです😄
清水女流の「倉敷の皆様ただいま!」という挨拶や先輩として里見さんを気遣う様子、敗者のための記者会見に臨む姿等々。。
清水女流の素敵な所もたくさん書かれていましたね
吉村達也さんは2012年に亡くなられたそうで、ご冥福をお祈りします。あったかくて爽やかな記事でした💐