2018年 女流王将戦第2局その1
2018年10月19日、第40期 霧島酒造杯女流王将戦第2局が行われました。面白かった話のメモ( ..)φ
羽生善治九段の講演会
山口女流「先日里見女流王将とお仕事が一緒で。日経フォーラムのイベントだったんですけど羽生先生の講演会があって」
藤井九段「あっそーなんですか」
山口「その時にすごい熱心にメモ取ってらっしゃいました」
藤井「メモ!?(笑)羽生さんのお言葉を」
山口「はい。妹さんにもボールペン準備するように里見さんが仰ってて(笑)」
藤井「(笑)そういうマメなタイプだったんだ」
山口「姉妹でメモ取ってたのがすごい印象的で」
普段は天然
藤井「里見さん対局してる時とー。割と普段天然ですよね」
山口「そうですねー」
藤井「実はね。かわいいですよね」
山口「朗らかで」
藤井「えっ!?て事を言いますよね。意外なっていうね。対局中はこういう雰囲気からは想像できない。すごくしっかりして見える」
山口「将棋連盟のHPで妹さんと一緒に受けてるインタビューがあったんですけど、妹さんがお姉さんのエピソードを仰ってましたね」
藤井「例えばどんなんですか?」
山口「タイトルを獲得したのに電車で口を開けて寝ていて、慌てて自分の持っていた上着を顔にかけたっていう話を(笑)」
藤井「(笑)将棋ファンが見てたらまずいですよね」
山口「まずいから妹さんが上着をかけたとHPに載ってました」
藤井「電車の中で口を開けて寝てたと。あーそういう一面ありますよねー。あんまりこう気にしないですね」
インタビュー↓
活躍する姉への想いと、葛藤する妹への想い―里見女流姉妹インタビュー前編【女流棋士とデザート】|将棋コラム|日本将棋連盟
序盤について
藤井「序盤上手い人っていうのは要するに序盤が好きだって事だから、よく出てくる局面を今度はこうやろう今度はああやろうっていうのを考えるのが好きなんですよね。あんまり興味ない人はいつも同じでいーから(って言う)。
なんか料理とか食事と似てますよね、食えればいいっていうのと、少しでも美味しい物を作りたいとかってあるじゃないですか。お腹空いたら食えばいいんだよって言う人もいるでしょ、料理にこだわる人もいるじゃないですかその違いですよね。僕は少しでも自分の手を加えて毎回ちょっとずつ違う新鮮味が欲しいけどね」
里見さんのタイプ
藤井「じゃ里見さんはどういうタイプかって言うと、将棋強くなる過程が最初はやっぱり出雲でね高校生くらいまでは島根県の出雲に居たわけですよね。だからあんまり勉強環境には恵まれてなかった筈なんですよね。だから私なんかとちょっと近い所があるんじゃないですか。私なんかも高校群馬に居てそんなに将棋指さなかったんで。まあ里見さんの時代はネットなどもあるからちょっと違うとは思うんですけど」
山口「けっこう地元のアマ強豪の方と指されていたっていう話は聞きますけどね」
藤井「あーなるほどね。でもアマチュア将棋は独特だから、またプロの世界の将棋と違うんでね。最初の頃はすごく独特の将棋を指してましたよね。流行りの将棋じゃない、すごい力指しっていうかね。だんだんと奨励会に入るようになってから洗練された戦型を指すようになったっていう事で」
山口「環境の変化もある」
藤井「うん。だから出発点は独特なやり方から入っている筈なんですよね。なので新手創作も向いてるかも知れませんね(笑)」
山口「(笑)」
藤井「自分で考えるのが苦にならないて言うかね。あんまり『こうやるんだよ』って定跡形から入った人は多分相当苦痛だと思うんですよ。新しい手考えるなんて言ったら『いや無理です!』みたいな(笑)『 定跡こうなってますから』って感じでね。元々の頭の使い方っていうんですかね。弱かった時にどういう将棋を指してたかっていうのは非常に重要ですよね」
藤井「やっぱり面倒臭いんですよ、自分で何か考える…こういう将棋指したけど次はこうやろうっていう習慣がね、ついてるかついてないか全然違うと思うんですね」
山口「すごい産みの苦しみが伝わってきたんですけど、先生楽しい時ってどういう時ですか?」
藤井「楽しい時?振り飛車が有利になる手が見つかった時ですよ。滅多にないんでね!(笑)」
山口「(笑)」
中居正広さんと共演
山口「里見さんも民放の番組出てましたよね。中居正広さんと一緒に共演して話されてた記憶が」
藤井「えー!意外ですね」
山口「奨励会入る前だったんでかなり前なんですけど。里見さん高校生の時かもしれない」
藤井「女流棋士デビューしてタイトル獲りましたよね、その頃始球式とかもやってましたね。あと消防のポスターやってたり何かやってましたね幾つかね。(奨励会入る前は)色々けっこう出てましたね」
高校生の時に仰天ニュースに出演していましたね。SMAPの中居さん 笑福亭鶴瓶さんと将棋を指していました
里見さんのブログで見たのかな?忘れましたけど・・キラリっ娘のブログ(*˙˘˙*)
大山名人の粘りの研究
藤井「これ聞いた話でね、昔ね大山升田戦っていうのがあってね。人気では升田先生の方が圧倒的なんですよ。升田先生は終わると応援団が来るらしいんですよ(笑)対局が終わって升田勝ちだった時に、祝杯を挙げる仲間がバーっと来て」
山口「升田先生の仲間が」
藤井「仲間じゃなくて、新聞社とかスポンサーとか皆来るらしいんですよ。升田先生もそういうの嫌いじゃないから終わったら飲みに行くらしいんですよ。じゃ残された大山先生は何してるかと言うと、一人で研究しているっていうんですよ。その場で、升田先生が去った後に。
そこで記録係とかが目撃してて、あとで後輩達にそういう話を伝えるんだけど、大山先生何してるかっていったら粘りの研究してたって言うんですよ!『負けたけどこうやってたらもっと頑張れてた』とかってね。黙々と一人で。升田先生飲みに行ってワーって誰もいなくなった後に、『こうやればもっと粘れてた』って研究してたらしい。すごくないですか?
粘りの研究ってしないよね普通ね。こうやれば勝ちだったとか言うんならさ、やりますよ誰でも。『なんだこうやれば勝ちだったのに!』とかならね。『こうやれば粘れてた!』とかってすごいですよね(笑)どうせ悪いんだから。粘りの研究してたっていうのがね、それがやっぱり強さの秘密かなっていう風に。そういう勉強法もあるんだなと思って」